獣医師向けコラム

「譲渡当日とアフターフォロー」

執筆者: a-hands 事務局

公開日:

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譲渡当日とアフターフォロー

獣医師:箱崎 加奈子

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今回は、譲渡当日の注意点と譲渡後のアフターフォローについて、普段、私自身が気をつけている点をお伝えします。

【譲渡当日】

◯ 譲渡家族との最終確認

譲渡家族の疑問や質問に答え、保護どうぶつの性格や健康状態について再度詳細に説明します。

◯ 健康チェック

健康面で何かある場合は再度説明します。

不妊手術などから間もないこともあるので、術創などに問題がないか確認。

予防接種済証、マイクロチップなどの書類、ある場合は犬鑑札が揃っているかを確認。

今後の予防を含めた医療ケアのスケジュールをお伝えします。

◯ 受け入れ環境、準備の確認

必要な備品が揃っているかを改めて確認し、家に迎えた時のケージの入れ方などの具体的な方法、どうぶつの性質に合わせた初日の過ごし方を説明します。

ご自宅へお届けの場合は直接現場を確認し、レクチャーします。

◯ 譲渡誓約書の取り交わし

譲渡誓約書を読み合わせることで、家族は責任を持つことを再確認できます。

譲渡誓約書(transfer_oath.pdf)は財団のHPからダウンロード可能で、協力病院であれば自由に使用できます。

◯ 経費の精算

当院の場合、不妊手術、ワクチン、ウィルス検査、フィラリア検査、マイクロチップの費用を割引価格にして御負担頂いてます。

※その他治療費、飼育費などはこちらで負担してます。

【譲渡後のアフターフォロー】

◯ 定期的な連絡

譲渡後の最初の数週間は特に注意が必要です。

定期的に連絡を取り、様子や飼育に関する疑問点を確認します。

新しい環境に順応しているか、ストレスを感じていないかも確認します。

状況によっては、飼育継続が困難と判断した場合、トライアルの中止、どうぶつを戻して頂くことを提案することもあります。

◯ 医療ケアの確認

予防薬の投薬。

不妊手術前の譲渡であれば手術完了の確認を必ず行います。

不妊手術が進まないことが過去何度かあり、苦労した経験から、子猫は譲渡前に早期不妊手術をするようにしています。

◯ マイクロチップの登録確認

マイクロチップの登録が完了しているか確認します。

登録が未完了の場合、速やかに手続きを行うようお願いします。

※最近未完了のケースがあったので、挿入時に保護主の名義で登録をすることを検討中です。

◯ 相談できる環境

保護主と譲渡家族は、動物病院での獣医師と患者の関係とは違うと私は考えています。

やり取りの中の言葉使いを気をつけることはもちろん、SNSのDMや LINEでのやり取りなど、より連絡しやすく、些細なことでも気軽に相談できる環境を整えます。

細かな対応は日頃多忙な獣医師にとっては負担かもしれませんが、譲渡した責任があると考えてフォローを徹底し、新しい家族と保護どうぶつが安心して生活を送るサポートをしたいと考えてます。

 

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