第3回保護どうぶつ研究会「診察室の法獣医学 ~動物虐待を疑ったら~」 西山ゆう子先生の講演会です。 お申し込み受付中!!
会員登録&第3回保護どうぶつ研究会お申し込みフォーム
https://forms.gle/CgGKXin3swvRPSiK8
======================================
講師の西山ゆう子先生の投稿を掲載させていただきます!
・・・
さてさて、いよいよ来週になりました!
獣医法医学のオンラインセミナー。
獣医師、動物看護師、および動物病院関係者が対象です。
++++
獣医師による虐待疑いの通報について、事前質問がありました。
「獣医師が虐待症例を報告することが、義務化されました。
しかし、虐待犯である飼い主様を、主治医である獣医師が訴えることで、逆に名誉棄損などで訴えられたり、あるいはSNSなどで当院の悪口を言われないか心配です。どうしたらよいのでしょうか」
+++
動物の愛護及び管理に関する法律、第41条の2関係では、獣医師は、みだりに殺されたと思われる動物の死体、又は、みだりに傷つけられ、もしくは虐待を受けたと思われる動物を発見した時は、遅滞なく、都道府県知事その他の関係機関に通報しなければならない、とあります。
いわゆる、「虐待の通報の義務」、と呼ばれるものですね。
+++
はじめに明確にしておきたいのは、獣医師は、「動物虐待」という診断を下すことはありません。
虐待かどうかを判定するのは、自治体や警察といった当局、あるいは裁判で判決が言い渡されて決定します。
獣医師に、「虐待があった」と決定する権限はありません。
よって、この通報は、「虐待の疑い」を当局に通知するものです。
動物虐待で飼い主を「訴えている」訳ではありません。
獣医師から連絡を受けて、実際に調査捜査をして、立件するかどうかを決めるのは警察の仕事です。そしてその後、ようやく動物虐待の有無が確定します。
+++
しかし、疑いであっても、「あんたが通報しなかったら捕まらなかった」と言って逆恨みされないかと懸念しますね。
これに関しては、しっかりとした基準を作り、想像や予想ではなく、「動物がこういう状態だった」というい客観的な事実のみを通報することが大切です。
すなわち、「痩せてるし、おびえているし、ひょっとしたら虐待?」といった感覚や予想ではなく、動物の身体検査や、客観的なカルテの記載、および病歴や治療結果などを含めて、実際に動物にみられた事実のみを提出し、「エビデンス」のみの通報することが重要だと言われています。
+++
セミナーでは、実際に通報する時のカルテの書き方を含め、重要な部分を網羅したいと思います。
+++
思ったより多くの方にセミナー聴講にお申込みをいただいております。
まだ席に余裕があると聞きました。
まだの方、遠方の方も含めて、この機会にぜいご参加ください。
お目にかかれるのを楽しみにしています!