「第7回 保護どうぶつ研究会を終えて」
~災害時のペットについて獣医療者として考える~
7月5日、第7回保護どうぶつ研究会を開催いたしました。
今回は、「災害現場から学ぶ被災動物の保護事情~ペットを守るために獣医療関係者ができること~」
をテーマに、長年にわたり被災動物の支援に携わってこられた平井潤子先生をお迎えし、ご講演いただきました。
当日は19名の皆さまにご参加いただき、アンケートでは95%の方から「とても良かった」とのご評価をいただきました。
「ペットのためだけではなく、人のため、社会のための災害対策であることを知った」
「自分にできることを考えたい」
「地域とも協力していきたい」
など、多くの温かいお言葉をいただきました。ご参加くださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
災害については、一個人としても獣医療者としても、普段から考え、備えておかなければならないものだと頭では理解しているつもりでした。
しかし、日々の忙しさに追われ、「いつか考えよう」と後回しになってしまっている自分がいたことにも気づかされました。
平井先生のご講演は、確かな経験に基づくお話の数々で、改めて多くのことを考えさせられる時間となりました。
ひと言で「災害」と言っても、実にさまざまです。
被災したペットの年齢や持病、ケガの有無、飼い主の健康状態や生活環境、被災の状況、そしてペットと飼い主との関係性も一人一人異なります。さらに、災害発生からの時間の経過によって必要な支援も変化していきます。
だからこそ、「支援」という言葉をひと括りにすることはできません。
そこには多様な選択肢があり、何がその時の最善なのかを見極めることは決して簡単なことではありません。
獣医療者だからといって、一人で判断し、一人で抱え込むべきものでもないと強く感じました。
大切なのは、日頃から獣医師会や行政、地域の支援体制を知り、顔の見える連携を築いておくこと。
そして、「もし今、自分がその場にいたらどう考えるか」という思考の訓練を重ねておくことではないでしょうか。
今回のご講演では、実際に被災した飼い主とペットの事例をもとに、「あなたならどうするか」を参加者一人ひとりに問いかける場面が多くありました。
それは単なる知識の習得ではなく、災害時に必要となる思考の訓練そのものだったように思います。
アンケートでも、「これまで考えたことのない視点を得た」「自分ごととして考えることができた」という声が多く寄せられていたことが、とても印象的でした。
私は今回の研究会を通して、改めて「命を守ることは、つながりを守ること」なのだと感じました。
人と動物の命を守るためには、獣医療だけではなく、行政、地域、ボランティア、そして飼い主が互いを理解し、支え合うことが必要です。
誰か一人の力ではなく、多くの人の手が重なり合って、はじめて守ることのできる命があります。
a-handsは、「ペットをとりまく人を獣医療で幸せにする」ことを理念として活動しています。
それは、動物だけを見るのでも、人だけを見るのでもなく、その両者を取り巻く社会にも目を向けるということです。
今回の保護どうぶつ研究会は、まさにその理念を形にする時間となりました。
知ることは、守ることの第一歩です。学ぶことで見えてくるものがあり、つながることで守れる命があります。
これからもa-handsは、人と動物がともに幸せに暮らせる社会を目指し、保護どうぶつを取り巻くさまざまな課題を皆さまとともに考え、学び、行動につなげていく場をつくってまいります。
ご参加くださった皆さま、そして日頃よりa-handsの活動を支えてくださる会員の皆さまに、改めて心より感謝申し上げます。
