めぐみの想い

第6回保護どうぶつ研究会を終えて想うこと ~入交眞巳先生 保護猫に学ぶ行動学~

執筆者: 宮下めぐみ

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第6回保護どうぶつ研究会を終えて想うこと ~入交眞巳先生  保護猫に学ぶ行動学~

11月23日開催の第6回保護どうぶつ研究会は昨年の「野犬の行動学」に引き続き入交先生に貴重なお話をいただきました。

保護ねこの性質、猫との暮らし方、問題行動、病院へ行く時の薬(PVP)の使用例など臨床での実践に参考になる内容も多く、参加者の満足度もとても高くなりました。

話を聞いて強く印象に残ったことは「猫の里親になりたい飼い主のニーズは多様である」ということと「獣医師は行動学の基礎を知ってこそより良いインフォームができる」ということです。

「猫の里親になりたい飼い主のニーズは多様である」

「家庭内ノラ」。この言葉は前から知っていたのですが、「家庭内ノラ」になる可能性が高いような人に馴れていない子であっても、だんだんと馴れていく攻略感を楽しむ飼い主も割と多いということ。また、抱っこできる猫よりも「顔つき」「毛色」などを重視している方も多いということを再認識しました。

私の固定概念として譲渡するならば馴化させなければ!と思う気持ちがいままで強かったような気がしますが、多様な猫の性質と里親の多様なニーズがあることが、今回のご講演と意見交換会でのご意見で今回よくわかりました。

固定概念にとらわれず、里親希望者のニーズをよく汲み取り、譲渡できる方かを確認し、譲渡後の飼育をフォローをする体制をますます強めていきたいと思いました。

「行動学の基礎を知ってこそより良いインフォームができる」

トイレの数は猫の数+1。爪とぎはマーキングやストレス解消。いままで病院で飼い主さんにお話しするときなんとなくこの言葉を使ってお伝えをしてきました。

しかし、入交先生の講演の言葉のように、キレイなトイレがいつもあるためにトイレは猫の数+1。であったり、爪とぎはメッセージで猫が伝えようとしている。などの行動学を取り入れた飼い主さんが理解しやすい言葉は使っていなかったと思います。

今回教えていただいた飼い主さんが理解を深められる言葉をさっそく臨床の現場で使ってみたいと思いました。

その他、PVP(病院へ連れて行くときに使う薬)など具体的な使い方もとても参考に、すぐに病院の勤務医にも共有しました。

参加者の今後の日々の診療や猫との暮らし方の視点が変わる本当に貴重なご講演でした。

著者について

宮下めぐみ

宮下めぐみ

麻布大学 獣医学部卒業  一般財団法人a-hands 代表理事 株式会社m-hands 代表取締役 東京都獣医師会 理事 ヤマザキ動物看護大学 非常勤講師 キャリアコンサルタント 「どうぶつとその周りの人を幸せにする」を信条とし、西東京市のエルザどうぶつ福祉病院の院長として診療を行う傍ら保護どうぶつの保護譲渡活動や獣医師会の社会的活動に従事している。自身でもチワワのクレア、保護ネコのリム、スイをかわいがっている。
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