めぐみの想い

保護どうぶつは動物病院で飼育すれば良い?

執筆者: 宮下めぐみ

公開日:

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保護どうぶつは動物病院で飼育すれば良い?
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動物病院には動物を飼育できるゲージもあり、スタッフもいます。

ならば動物病院で保護動物をそのまま飼育すればいいのではないか?

と思う人も多いと思います。

 

しかし、自宅と一体型の病院は少なく、

ほとんどの場合、夜間は病院にスタッフはおらず無人になってしまう事が多いです。

 

無人の状態で、災害などが起きたらどうでしょう。

動物の安全が守れるかが不安ですよね。

また、動物を飼っている人はご存知だと思いますが、

動物が飼い主に甘えるのは飼い主がリラックスする寝る前後の時間が多いですよね。

その「甘えられる時間」って

動物にとってとても貴重な飼い主との絆を確かめ合う時間だと思います。

 

なので、スタッフが仕事が終わって無人になってしまう病院での飼育だと

自宅での飼育より動物にとっては愛情を表現する事が、

少し難しくなってしまうかもしれません。

 

また、病院には感染症に罹患した子も訪れるので、感染のリスクも高まります。

 

そういった点を考えると、病院での飼育は

動物に我慢をさせてしまう事もあるかもしれません。

 

このようなことから保護動物は、病院で飼育するのではなく

動物が安心して、思いっきり甘えることのできる飼い主さんへの

譲渡が必要だと思うのです。

 

そうは言っても飼い主さんが見つかるまで

愛情を持ってお世話をするスタッフはどんどん保護動物に情が移ります。


動物のためとわかっていても送り出す時は毎回寂しくなるんですよ。

 

私も、今でも短い期間だけど一緒に過ごせた保護動物のことを思い返して

こっそり涙することもあります。。。

 

それでも、やっぱり、

いつも一緒に過ごしてくれる飼い主さんが見つかって本当に良かったなと思い、

また、次の保護動物を受け入れて新たな幸せへと繋げる努力を続けています。。

著者について

宮下めぐみ

宮下めぐみ

麻布大学 獣医学部卒業  一般財団法人a-hands 代表理事 株式会社m-hands 代表取締役 東京都獣医師会 理事 ヤマザキ動物看護大学 非常勤講師 キャリアコンサルタント 「どうぶつとその周りの人を幸せにする」を信条とし、西東京市のエルザどうぶつ福祉病院の院長として診療を行う傍ら保護どうぶつの保護譲渡活動や獣医師会の社会的活動に従事している。自身でもチワワのクレア、保護ネコのリム、スイをかわいがっている。
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