獣医師向けコラム

「ウイルスキャリアの猫の譲渡」

執筆者: a-hands 事務局

公開日:

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ウイルスキャリアの猫の譲渡

獣医師:箱崎 加奈子

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猫エイズウイルス感染症(FIV)と猫白血病ウイルス感染症(FeLV)の検査を譲渡前に行い、キャリアかどうかを家族募集のプロフィールに記載することは一般的です。

譲渡希望者とお話をしていても、検査はしてありますか?と聞かれることはとても多いです。

ウイルスキャリアの保護猫は珍しくなく、他のキャリアではない猫への感染源になる可能性も考慮しないといけないため、譲渡までの一時預かり場所の確保に注意が必要です。

キャリア猫のために専用スペースを設けているシェルターもあります。

エイズキャリアの場合、咬傷感染が主な感染経路のため、その猫の性質によってはノンキャリアの先住猫(ボランティアさんの飼い猫)と同じ空間で一時預かりされてることも多いです。

私が参加してる譲渡会にもたくさんのエイズキャリアの保護猫が参加していて、素晴らしいご縁を頂いてます。

ウイルスキャリアと聞いて敬遠する方も少なくないですが、理解した上で受け入れてくださる方が多いことは、私自身、実際に譲渡会会場で譲渡希望者とお話をしていて感じます。

獣医師が専門的な知識と経験でこの話をすることで、さらに譲渡希望者さんはウイルスキャリアのリスク等も認識して譲渡受け入れ可否の判断ができると思います。

多頭飼いで 2頭目、3頭目にキャリアの猫を、猫同士の相性を見ながら慎重に譲渡するケースも珍しくありません。

発症させないためには、飼育環境に十分な配慮が必要です。

譲渡元がサポートをしてる事が多いと思いますが、医療従事者として、キャリア猫を迎えたご家族と接することがあれば、QOL維持のための医療サポートが出来たらと思っています。

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