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保護どうぶつ「困った事例」~元野犬の飼育と通院~ と「第4回保護どうぶつ研究会」開催のお知らせ

執筆者: a-hands 事務局

公開日:

保護どうぶつ「困った事例」~元野犬の飼育と通院~

写真の犬は山口県の周南市にいた元野犬です。

心優しい飼い主さんに譲渡されたものの、子犬の時に複雑な事情で社会科がなされなかったせいもあり、飼育がかなり大変だったようです。

もう数年前に病気で亡くなってしまいましたが、今回、飼い主さんに飼育時の様子をお伺いしました。

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【飼い主さんの話】

私以外には全く心を開かず他の人からのごはんも一切食べません。

他の人がいると家の隅に固まってしまい、何日もまったく動かない、たべない、トイレも数日我慢する状況です。これは、結局死ぬまで変わりませんでした。

生涯、私以外には馴れなかったのです。

他の人がいると外には散歩など行けないので、家のベランダで自由にさせることはありましたが、大型犬のサイズなのでまったく運動量は足りず、肥満になり体重は40㎏を超えました。

病気になって動けなくなってからは通院も大きく大変で、車まで私一人では運べないので近所の人に手伝ってもらって車に運び毎回大騒動でした。私以外の人に馴れないので運んでくれた人を噛んでしまった事もあります。

最後は寝たきりになり、往診に切り替えましたが、往診費用もかなりかかりました。

また、私にしか馴れていなかったことや大きさの存在感などを含め特殊な犬だったこともあり、私のペットロスがかなりきつかったです。
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もちろん元野犬でも人に馴れている子もいますし、一概には言えないのですが、人馴れしなかったり、とっさの時に攻撃行動が出てしまう事はペットショップで販売用に繁殖された犬よりも多いと思います。

そして、こういった子が病気になったときに通院しても攻撃行動などから適切な検査や処置ができない可能性も高く、院長はスタッフの安全性も確保する必要がありますし、一方では獣医師法の応召の義務も気になります。

そして、このような元野犬、元ノネコなどの保護どうぶつの診療は社会情勢上、今後、動物病院で増えていくでしょう。

獣医師としてどこまでやるべきか?または行動学的にいい対処法があるのか?

今回、第四回の保護どうぶつ研究会では、11月24日に入交先生にどうぶつ福祉の視点を含めて「保護どうぶつの行動学」のご講演をしていただくことになりました。

ぜひ、上記のような課題の糸口になればと思います。

●第四回 保護どうぶつ研究会 講演会へのご参加をお待ちしております!!

●第四回 講演会の詳細は こちら からご覧ください。

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第四回 講演会 お申し込みフォーム

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https://forms.gle/bNQ6vvPEgSDEYAvAA

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random wan nyan frame ふみ(写真:右下)
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