子育て世帯への保護どうぶつ飼育のススメ
前回のブログでは「高齢者への保護どうぶつの飼育のススメ」をお話しましたが、今回は子供たちにもぜひどうぶつを飼ってほしい!という話です。
先日開催されたインターペットの私の講演の中でも子供達に動物を飼ってほしいという話をしました。子供たちが今後の社会に出るための大事な事を学べるからです。
今の子供達にとって大人になる未来の日本は本当に大変な社会になると思います。まず、少子高齢化の財政難。人口減少で消滅の可能性がある都市は800以上(日本創生会議・人口減少問題研究分科会)。グローバル化、情報社会で今後10~20年後には47%の仕事が自動化される(マイケル・A・オズボーン氏:オックスフォード大学准教授)。
この過酷な変化が激しい時代、今の日本の子供たちがなんなく対応できそうか?というと決して安心できる状態ではないと私は思います。不登校児童やイジメ、未成年の自殺の件数は年々増加しているのは皆さんもご存じのとおり。また、諸外国に比べ日本の子供は「社会の役に立てると思う」という自己肯定感も低い値を示しています(文科省調べ)。
もちろん子供の教育については学校や家庭だけの問題ではなく、社会全体が考え、連携し、大人の一人一人が子供達を社会に適応できる成人に育てていくという意識を持つ事が必要だと思っています。その一環として、ペットを飼育する事はその一助になると思っています。
学校飼育動物はまさにその一つの例ですね。
子供がペットを飼育する事について様々なメリットがある事は色々な論文がでていますし、私が経験上で思いつく事をざっとあげてみると以下のように沢山あります。
・飼育をすることで、世話をしないといけないという責任感が生まれる。
・どうしたら仲良くなれるのか?どうしたらこの子が喜ぶのか?など考えることで、他者への共感性が高くなる。
・違う外見、違う性質の生物と暮らすことで、いのちの多様性を学ぶ。
・病気になったペットをみてどうしてそうなったのか?生物学、医学を学ぶ。
・その動物がどこから来たのか?どうして家に来たのか自然環境を学ぶ。
・病気にならないようにと願う気持ちから予防医学を学ぶ。
・ペットと人が共通で感染する病気がある事を知って、公衆衛生を学ぶ。
・ペットに信頼されることによって自己肯定感が生まれ、孤独を癒す。
・生物なので思うようにいかない事も沢山あり、忍耐力を学ぶ。
・どうしたらペットが安全で楽しくいられるか、想像力が生まれる。
・最愛のペットが死ぬ事によって命の大切さや愛を学ぶ。
今、ざっと思いついただけの例ですがまだまだ沢山ある気がしています。
上記のような学びはどうぶつと触れ合うだけのふれあい教室とか一時的なものでなく「飼育をする」ということが大事で、そうでないと得られないものだと思っています。
(ふれあい教室はペットを飼育する事の一助になるのでそれを否定しているわけではありません。)
一方で、ペットの飼育が容易にできるかというと、核家族化や共働き世帯も増え、7人に1人の子供は貧困という厚労省のデータもあり、環境や費用面でペットを飼うことのハードルも上がっている事は確か。
費用面の負担を考えると高額のペットを購入するよりも、保護どうぶつの選択肢はありだと思いますし、トライアルができるという点でもお子さんのアレルギーが心配な保護者の方には安心だと思います。また、無理に犬や猫でなくてモルモットやうさぎ、鳥などでもいいのかなと思います(でも信頼関係という点だとやはり犬猫が最適ですが)。
私は32歳からシングルマザーですが、約10年以上二人の息子達と一緒に3人で色々などうぶつを飼ってきてその子達のおかげで3人ともとても楽しく幸せでした。シングルマザーでもできるので、家族で連携してそこに重きを置けば核家族でもペットは飼えると思います。動物病院も頼りにするといいと思います。
優秀ではないですが、うちの息子達が優しく、困難に立ち向かっていける大人に育ったのは一重に一緒に過ごしてくれたどうぶつ達のおかげだと思っています。この点は息子達二人もいつも同意してくれています。
この幸せや価値を色々な人に知ってほしい。そしてそれはきっと今後の日本にも役立つはず。私のこの財団の活動の根源はそこにあると思っています。